
- 外壁塗装で近隣トラブルは起こるの?
- どんなトラブルがあるのか知りたい
- トラブルを防ぐにはどうすればいいの?
こんな悩みにお答えします。
外壁塗装は家の美観を保ち、寿命を延ばすために必要な工事ですが、工事中に隣家との間でトラブルが起こる可能性もゼロではありません。予期せぬ隣人とのトラブルは精神的な負担も大きく、その後のご近所付き合いにも影響を及ぼすことも。
しかし、事前にどのようなトラブルが起こりうるかを知り、適切な対策を講じることで、多くの場合トラブルは避けられます。
この記事でわかることは、以下のとおりです。
- 外壁塗装で注意すべき7つの隣人トラブル
- 外壁塗装における隣人トラブルを防ぐ5つの対策
- もし近隣トラブルが発生した場合の対処法
- 隣家の外壁塗装によるトラブルに巻き込まれたときの対処法
この記事を読めば、外壁塗装を安心して進めるための知識が身につきます。
スムーズに外壁塗装を完了させるべく、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
外壁塗装で注意すべき7つの隣人トラブル
外壁塗装工事は、少なからず近隣に影響を与える可能性があります。
特に、以下の7つの隣人トラブルには気をつけましょう。
- ①高圧洗浄による汚れや塗料の飛散
- ②塗料の強い臭い
- ③工事中の騒音
- ④業者の車による通行への悪影響
- ⑤業者のマナーの悪さ
- ⑥業者による隣家の敷地内への侵入
- ⑦着工前の説明不足
それぞれの事例について、くわしく見ていきましょう。
①高圧洗浄による汚れや塗料の飛散
外壁塗装の最初の工程として行われる高圧洗浄では、長年の汚れや古い塗膜を洗い流す際に、汚水が周囲に飛散する可能性が考えられます。特に、屋根の洗浄は外壁よりも汚れが溜まりやすく、汚水が飛散しやすいです。
また、塗装作業中に塗料が風に乗って隣家まで飛んでしまう飛散の可能性もゼロではありません。
塗料は液体のため、風で簡単に飛ばされてしまう特性があります。隣家との距離が近い場合や風が強い日には、数メートルから十数メートルの範囲で飛散する可能性があります。
これにより、隣家の外壁や窓、車、洗濯物、庭木などに液体が付着し、思わぬ汚れや被害を与えてしまう事例が発生しています。
洗濯物に汚水や塗料が付着した場合、汚れが落ちにくくなることも。養生や事前の周知徹底を行っても、完全に飛散を防ぐことは難しい場合もあります。
②塗料の強い臭い
外壁塗装に使用される塗料からは、特有の強い臭いが発生することがあります。
この塗料の臭いは、主に油性塗料に含まれる有機溶剤(シンナーなど)が原因です。
臭いの感じ方には個人差がありますが、人によっては頭痛や吐き気、めまいなどを引き起こす可能性も指摘されています。また、小さなお子さんやペットがいるご家庭では、より注意が必要となります。
この強い臭いが原因で、近所の方から苦情が寄せられ、トラブルに発展する事例も少なくありません。特に、風向きによっては広範囲に臭いが拡散してしまう可能性も考えられます。
③工事中の騒音
外壁塗装の工事では、足場の組み立てや解体、高圧洗浄機の使用に伴い、どうしても大きな騒音が発生する可能性が高くなります。特に足場の設置・解体時には、金属がぶつかり合う「カンカン」という高い音が響きます。
この騒音は、日中ご自宅で過ごされることが多い隣家の方にとって、大きなストレスとなる可能性があります。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭や、リモートワークをされている方がいる隣近所では、騒音が原因でトラブルに発展する事例も少なくありません。
また、高圧洗浄機や電動工具の作動音も騒音の原因となり得ます。工事の期間中は普段とは違う音が発生するため、近隣住民にとっては不快に感じられる可能性があることを理解しておくことが重要です。
これらの工事に伴う騒音は、近所との関係性に悪影響を及ぼし、今後のご近所付き合いに支障をきたす可能性も考えられます。
④業者の車による通行への悪影響
外壁塗装工事では、業者の車両が近隣の道路や敷地に駐車することがあり、これが通行の妨げとなってトラブルに発展するケースがあります。
特に道幅の狭い場所や、交通量が多い時間帯には、業者の車が停車していることで近所の方々の車や歩行者の通行に支障をきたし、トラブルに発展する可能性があります。また、トラックや資材を運ぶ車両など、比較的大きな車が出入りすることも多いため、普段利用している道路が一時的に狭くなったり、見通しが悪くなったりすることもあります。
もちろん、業者は工事に必要な車両を駐車するスペースを確保しますが、敷地内に十分なスペースがない場合や、一時的な作業のために道路に停車させる可能性もゼロではありません。
このような状況が近隣住民の方々にとって迷惑となり、苦情やトラブルにつながるケースも見られます。特に通勤・通学時間帯など、交通量が多い時間帯に道路を塞いでしまうと、近隣の方々の日常生活に直接的な影響を与え、大きなトラブルになる可能性も否定できません。
⑤業者のマナーの悪さ
外壁塗装を依頼する際、会社の評判だけでなく、実際に作業を行う業者のマナーも近隣トラブルに大きく関わります。
たとえば、作業員の挨拶がなかったり、言葉遣いが悪かったりすると、近隣住民に不快感を与え、施主様の評判まで下がってしまう可能性があります。
また、喫煙ルールを守らなかったり、現場で出るゴミを適切に処理しなかったりといった行為も、近隣からの苦情につながることがあります。
これらのマナーの悪さが原因で、工事そのものには問題がなくても、人間関係にひびが入るケースも少なくありません。
⑥業者による隣家の敷地内への侵入
外壁塗装の工事では、建物の構造や隣家との距離によっては、作業のために隣家の敷地に入らなければならない可能性が発生します。
たとえば、足場を設置する際に敷地の一部を使用する必要が生じるなどです。
このような場合、法的には建物の修繕に必要な範囲であれば、隣地の使用を請求できると定められています。しかし、隣地に立ち入る場合は、その居住者の承諾が必要となります。
許可なく無断で敷地内に立ち入って作業を行うことは、不法侵入とみなされ、大きなトラブルに発展する可能性が高くなります。隣家の方の協力が得られない場合、足場の設置自体が難しくなり、塗装工事を進められないというリスクもあります。
塗装工事を行うにあたっては、事前に隣家の方へ作業内容や期間、敷地への立ち入りの可能性があることを丁寧に説明し、理解と許可を得ておくことが非常に重要です。
⑦着工前の説明不足
外壁塗装工事が始まる前に、近隣住民へ次のような説明不足が原因となってトラブルへ発展することも。
- 工事期間
- 作業内容
- 作業にともなう騒音
- 塗料の臭い
どのような工事が行われるのか、いつまで続くのかといった情報が近隣に伝わっていない場合、近隣住民は不安を感じたり、不満を抱いたりしやすくなります。
特に、工事による生活への影響(洗濯物が干せない、窓が開けられないなど)について、事前に情報共有がないと、思わぬトラブルに発展することがあります。

外壁塗装における隣人トラブルを防ぐ5つの対策
では、ここまでお伝えしてきたようなトラブル事例を防ぐには、どうしたら良いのでしょうか。
外壁塗装における近隣トラブルを防ぐポイントは、適切な事前準備と対策です。
ここでは、トラブルを防止するための重要ポイントとして、以下の5点をご紹介します。
- ①工事前の近隣への挨拶
- ②近隣への配慮を怠らない業者の選択
- ③臭いの少ない塗料の選択
- ④丁寧な養生の実施
- ⑤ご近所トラブルへ対応できる業者の選択
これらの対策をしっかりと行うことで、安心して外壁塗装を進めることができるでしょう。
①工事前の近隣への挨拶
外壁塗装工事を行うにあたり、近隣への事前挨拶は必須です。
工事期間中は、騒音や塗料の臭い、業者の車両の出入りなど、少なからず近隣住民の方々にご迷惑をおかけする可能性があるからです。こうした影響を事前に伝えておくことで、近隣の方々の理解と協力を得られやすくなり、トラブルを未然に防ぐことが期待できます。
挨拶のタイミングとしては、工事が始まる1週間〜10日前を目安に行いましょう。早すぎると忘れられてしまう可能性があり、直前すぎると準備期間を与えないことになります。
挨拶に伺う範囲は、両隣の家や向かいの家、そして裏の家を中心に、工事によって影響が出そうな範囲を含めることがポイントです。特に、お隣さんには丁寧に挨拶し、工事の内容や期間、作業時間などを具体的に伝えるようにしましょう。挨拶状にこれらの情報を記載し、手土産と一緒に渡すとより丁寧な印象になります。手土産は日用品などを中心におおむね500円程度で用意される方が多いです。
また、挨拶回りは施主様ご自身で行くのが基本ですが、可能であれば工事を請け負う業者と一緒に伺うのがおすすめです。業者に同行してもらうことで、工事に関する専門的な説明を補足してもらうことができ、近隣の方々も安心して疑問点を解消できます。
挨拶は、工事をスムーズに進めるためだけでなく、工事後の良好な近隣関係を維持するためにも非常に重要なステップと言えるでしょう。
②近隣への配慮を怠らない業者の選択
外壁塗装を成功させるためには、適切な業者選びが欠かせません。
料金の安さだけでなく、近隣への配慮を怠らない会社を選ぶことが、後々のトラブルを防ぐ鍵となります。
具体的には、契約前に会社の評判や過去の実績をしっかりと確認しましょう。インターネット上の口コミや地域での評判も参考になります。優良な業者は、工事中の騒音や塗料の飛散防止策を徹底し、工事車両の駐車場所にも配慮するなど、近隣住民への影響を最小限に抑える努力をしています。
また、工事開始前の近隣への挨拶回りや、工事内容、期間、作業時間帯などを丁寧に説明してくれる会社は、近隣トラブル発生のリスクを減らすことができるため、安心して任せることができます。
これらの点を確認し、近隣トラブルを防ぐための具体的な配慮をしてくれる業者を選ぶことが、トラブルのない外壁塗装につながります。
③臭いの少ない塗料の選択
外壁塗装において、塗料の臭いは近隣トラブルの主な原因の一つです。
特に油性塗料に含まれる有機溶剤は、強い刺激臭を放ち、人によっては頭痛や吐き気などの体調不良を引き起こす可能性があります。小さなお子さんや高齢の方、ペットがいるご家庭ではさらに注意が必要です。
この臭いを軽減するためのポイントとして、臭いの少ない塗料を選ぶことが挙げられます。具体的には、水性塗料は油性塗料に比べて臭いの原因となる有機溶剤の含有量が少なく、近年では耐久性などの性能も向上しています。また、油性塗料の中にも低臭タイプや弱溶剤タイプの塗料があります。
これらの臭いが少ない塗料を選択することで、工事中の臭いに関する近隣からの苦情やトラブルのリスクを減らすことができます。
塗料選びの際には、業者に相談し、予算や目的に合った低臭性の塗料を提案してもらうことが重要です。完全に無臭というわけではありませんが、物によっては従来の塗料に比べて臭いの負担を大幅に軽減できます。
④丁寧な養生の実施
外壁塗装において、塗料の飛散は近隣トラブルの大きな原因となります。
隣人トラブルの紹介でも触れましたが、塗料は液体のため風の影響を受けやすく、思わぬ範囲まで飛んでしまう可能性があるからです。
特に隣家との距離が近い場合や風の強い日には、塗料が飛散し、隣家の外壁や窓、車、さらには干してある洗濯物などを汚してしまう被害が発生することがあります。洗濯物に塗料が付着すると、シミになったり、最悪の場合使用できなくなったりするケースも。
このような塗料の飛散を防ぐために非常に重要となるのが『養生」』です。
養生とは、塗装しない箇所や周囲の建物、車などをビニールシートやマスキングテープで覆い、塗料が付着しないように保護する作業です。窓や玄関ドアはもちろん、エアコンの室外機や給湯器なども養生の対象となります。
丁寧な養生を徹底することで、塗料の飛散リスクを大幅に減らし、隣家への被害を防止できます。特に、隣家の敷地に近い部分を塗装する際は、通常よりもさらに徹底した養生が求められます。
業者に任せきりにせず、どのような養生を行うのか事前に確認し、必要であれば追加の養生をお願いすることも検討しましょう。
また、外壁塗装期間中は、残念ながら洗濯物を外に干すことが難しくなりますので、隣人へ部屋干しやコインランドリーの利用の検討をお願いすることも視野に入れましょう。
⑤ご近所トラブルへ対応できる業者の選択
外壁塗装工事中に予期せぬ近所トラブルが発生する可能性はゼロではありません。特に塗料の飛散など、業者側の作業に起因する問題については、通常、施工を請け負った業者が責任を持って対応することになります。
しかし、残念ながら全ての業者が誠実に対応してくれるわけではありません。悪徳業者に依頼してしまった場合、近隣とのトラブルに対してほとんど対応してくれない可能性も考えられます。
そのため、外壁塗装を依頼する業者を選定する際には、費用の見積もり内容だけでなく、近隣トラブルが発生した場合にどのような対応をしてくれるのかを事前にしっかりと確認することが非常に重要です。
具体的には、見積もりの段階で具体的に質問し、口頭での確認だけでなく、可能であれば契約書にトラブル発生時の対応に関する条項を盛り込んでもらうように交渉すると、より安心です。
優良な業者は、万が一の事態に備えて保険(請負業者賠償責任保険など)に加入していることが多く、塗料の飛散などによって隣家に損害を与えてしまった場合でも、保険を使って適切に賠償責任を果たしてくれます。
業者選びの際には、これらの点も踏まえて慎重に検討することをおすすめします。
もし近隣トラブルが発生した場合の対処法
外壁塗装工事中に残念ながら近隣トラブルが発生してしまった場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
冷静かつ適切に対処することで、事態の悪化を防ぎ、早期解決を目指すことができます。
ここでは、トラブル発生時の対処法について段階を追って説明します。
まずは依頼した業者に相談する
外壁塗装の工事中に近隣の方との間でトラブルが発生してしまったら、まずは工事を依頼した業者に相談することが最も大切です。発生したトラブルの内容や状況を具体的に伝え、業者に確認と対応をお願いしましょう。
多くの信頼できる会社は、万が一の事態に備えて保険に加入しており、トラブル発生時にはその保険を活用して迅速かつ誠実な対応を行ってくれるからです。
たとえば、塗料の飛散によって隣家の車を汚してしまった場合など、損害賠償責任が発生するケースでも、請負業者賠償責任保険などが適用されることで、業者が責任を持って対応を進めることが可能です。
業者に相談し、連携を取りながらトラブル解決に向けて進めることが重要です。
解決しない場合は第三者機関に相談する
外壁塗装工事中に近隣トラブルが発生し、依頼した業者に相談しても問題が解決しない場合や、業者の対応に納得できない場合は、第三者機関に相談することを検討しましょう。
『公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)』は、国土交通大臣が指定した住宅リフォームに関する相談窓口で、弁護士や建築士といった専門家からアドバイスやサポートを受けられます。
また、国民生活センターや各自治体の相談窓口でも、消費生活全般に関するトラブルについて相談できます。
これらの機関に相談することで、専門的な知識に基づいた客観的なアドバイスを得ることができ、トラブル解決の糸口を見つけやすくなります。
一人で悩まず、適切な相談窓口を活用することが、早期解決につながります。
【要注意】DIY塗装は完全に自己責任
外壁塗装の費用を節約したいという考えから、ご自身でDIY塗装を検討される方もいらっしゃいます。しかし、外壁塗装は専門的な知識と技術を必要とする作業であり、多くのリスクが伴うことを理解しておく必要があります。
最も注意が必要なのは、塗料の飛散による近隣トラブルです。
DIYの場合、十分な養生が難しいため、風に乗って塗料が隣家に飛んでしまい、建物や車、植木などを汚してしまうリスクが高まります。プロの業者であれば、万が一の塗料飛散に備えて保険に加入していることが一般的ですが、DIYの場合はそういった補償がなく、損害賠償を請求された場合の責任は全て自己責任となります。
また、高所での作業は転落の危険が伴い非常に危険です。慣れない作業に加えて、足場の設置も専門知識が必要となるため、安全性の確保が難しくなるからです。
さらに、適切な下地処理や塗料の選定、塗り方を誤ると、早期の色褪せや剥がれやカビの発生など、施工不良につながる可能性も高くなります。結果として、建物の保護という本来の目的を果たせず、かえって費用がかさんでしまうことも。
これらのリスクを考慮すると、近隣トラブルや事故、施工不良のリスクを避けるためにも、外壁塗装は専門業者に依頼することをおすすめします。

隣家の外壁塗装によるトラブルに巻き込まれたときの対処法
ご自身の家ではなく、隣家が外壁塗装工事を行った際に、騒音や臭い、塗料の飛散などのトラブルに巻き込まれてしまう可能性もゼロではありません。
このような状況に遭遇した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
以下のような手順で冷静に対応することが重要です。
隣人が依頼した業者にトラブルの内容を伝える
もし隣家の外壁塗装工事によってトラブルに巻き込まれた場合、まずは工事を行っている業者に直接トラブルの内容を伝えることが最も効果的な対処法の一つです。
多くの場合、工事が始まる前に隣家や業者が近隣へ挨拶に訪れ、工事の内容や期間、そして業者の連絡先が記載された挨拶状を受け取っているかと思います。
その挨拶状に記載されている電話番号に連絡をし、いつ、どのようなトラブルが発生しているのかを明確に伝えましょう。きちんとした業者であれば、トラブルに対して真摯に対応し、汚損されたものの修繕や清掃など、適切な対処をしてくれる可能性が高いです。
また、多くの優良な業者は万が一の事故に備えて保険に加入しているため、被害に対する補償も期待できます。
もし業者に連絡しても対応してもらえない場合は、次のステップに進みます。
隣人に直接トラブルの内容を訴える
業者に連絡しても適切な対処が得られない場合、次に隣人、つまり外壁塗装を依頼した本人に直接トラブルの内容を伝えるという方法があります。
工事を依頼した業者が残念ながら悪徳業者であったり、近隣への配慮を欠く業者であったりする場合、業者との直接交渉では解決しない可能性があります。そのような状況では、工事の発注者である隣人に、発生しているトラブルについて具体的に説明し、業者への対応を依頼してもらうことが有効です。
ただし、この際に感情的になったり、隣人を責めるような言い方をしてしまうと、かえって関係性が悪化し、問題がこじれる可能性もあります。
トラブルの内容を明確に、冷静に伝えること、そして、これはあくまで業者による工事が原因であることを理解してもらうように話すことがポイントです。隣人に状況を理解してもらい、業者への働きかけを期待しましょう。
もし隣人も対応してくれない、あるいは話し合いが進まない場合は、さらに次のステップを検討する必要があります。
第三者機関や弁護士に相談する
隣家の外壁塗装によるトラブルに関して、業者にも隣人にも相談しても解決しない場合、あるいは当事者間での話し合いが難しい状況になった場合は、第三者機関や弁護士といった専門家に相談することを検討しましょう。
例えば、国民生活センターや自治体の消費者相談窓口では、消費生活に関する様々なトラブルについて相談を受け付けており、適切なアドバイスや情報提供を受けることができます。
より専門的なアドバイスや法的な手続きを検討したい場合は、弁護士に相談するのが良いでしょう。弁護士は法的な観点から状況を整理し、今後の対処法について具体的な助言をしてくれます。
必要であれば、内容証明郵便の送付や損害賠償請求など、法的な手段による解決を目指すことも可能になります。ただし、訴訟などの法的手続きには時間や費用がかかりますし、その後の近隣関係にも影響を与える可能性があるため、慎重な判断が必要です。
専門家と相談しながら、ご自身の状況にとって最適な解決策を見つけることが大切です。
まとめ
今回は、外壁塗装を検討する際に注意すべき近隣トラブルの種類と、それらを未然に防ぐための対策、そしてトラブル発生時の対処法についてくわしく解説しました。
外壁塗装の工事では、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- ①高圧洗浄による汚れや塗料の飛散
- ②塗料の強い臭い
- ③工事中の騒音
- ④業者の車による通行への悪影響
- ⑤業者のマナーの悪さ
- ⑥業者による隣家の敷地内への侵入
- ⑦着工前の説明不足
これらのトラブルを避けるためには、次の5つのポイントを押さえておきましょう。
- ①工事前の近隣への挨拶
- ②近隣への配慮を怠らない業者の選択
- ③臭いの少ない塗料の選択
- ④丁寧な養生の実施
- ⑤ご近所トラブルへ対応できる業者の選択
もし万が一トラブルが発生してしまった場合は、まずは工事を依頼した業者に相談し、解決しない場合は第三者機関や弁護士といった専門家への相談も検討しましょう。
外壁塗装を成功させ、かつ近隣との良好な関係を維持するためにも、これらの注意点と対策をしっかりと理解し、安心して工事を進めていきましょう。